徒然日記
ロボット運動会から 【26年8月25日 『逢坂誠二の徒然日記』8635回】
大勢の皆さんにご参加頂き、予定の時間を上回るほど、様々なテーマについて率直な意見交換をさせて頂きました。
暮らしのこと、地域のこと、政治のこと。
直接顔を合わせて皆さんの声を伺うことで、多くの気づきや学びがあります。
ご参加頂いた皆さん、本当に有り難うございました。
これからも地域を歩き、「歩く歩く聞く聞く」を続けて参ります。
1)ロボット運動会から
中国で開催された、人型ロボットの運動会やロボット大会のニュースを見て、驚いています。
ロボットがウサイン・ボルトよりも速く走る。ギターやドラムを演奏する。こうした映像を見ると、その技術の進化は本当に凄いと感じます。
しかし、私がそれ以上に注目しているのは、中国が人型ロボットを単なる技術開発ではなく、「国家の次世代産業」として育てていることです。
中国は2030年までの第15次5カ年計画に「フィジカルAI」を明記し、運動会やロボット大会の開催、企業の育成や上場、そして社会実装を同時並行で進めています。
今回の運動会も、単なる宣伝イベントではありません。
100メートル走では、前年21秒50だった記録が9秒32まで縮まりました。競争の場をつくること自体が、技術進歩を加速させる仕組みになっています。
参加ロボットは前年の4倍。競技種目もほぼ倍増し、陸上やサッカーだけではなく、家事、ホテル、物流など、実際の社会での活用を想定した競技も行われています。
ここに、中国の産業政策の特徴がよく表れていると思います。
国家が将来有望な分野を定める。
多くの企業が参入する。
競争によって技術を磨く。
社会実装によって膨大なデータと経験を蓄積する。
さらに資本市場から資金を呼び込む。
この循環が非常に速いのです。
さらに注目すべきは、米国も人型ロボットをサプライチェーンやサイバーセキュリティーの問題として捉え、規制に動いていることです。
つまり人型ロボットは、AIや半導体、EVなどと同様に、産業競争力だけではなく、経済安全保障をも左右する戦略分野になりつつあります。
日本には、モーター、減速機、センサー、精密加工、素材など、ロボットを支える優れた技術があります。
もう既に個々の技術力だけで世界市場を獲得できる時代ではありません。
「優れた部品を持っている」ことと、「新しい産業をつくる」ことは違います。
もちろん、中国の手法をそのまま日本が取り入れればよいという話ではありません。
しかし日本も、AI、半導体、ロボット、電池、通信、データ、人材育成などを一つの大きな産業政策として捉え、研究開発から量産、社会実装、海外展開までを長期的、戦略的に支える必要があります。
このニュースを「中国のロボットがボルトを抜いた」という話題だけで終わらせてはなりません。
日本の産業政策は、この世界の猛烈なスピードに対応できているのか。
日本は将来、どの分野で世界に強みを発揮し、どのように新しい産業と雇用を生み出していくのか。
個々の企業の努力だけに任せるのではなく、10年、20年先を見据え、国として明確な意思を持った産業政策を進めなければなりません。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年8月25日 その6938『逢坂誠二の徒然日記』8635回】
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