徒然日記
寅沢風力発電の見送りと今後への教訓 【26年7月24日 『逢坂誠二の徒然日記』8603回】
1)寅沢風力発電の見送りと今後への教訓
「(仮称)函館寅沢風力発電事業」を進めていた事業者が、このたび事業の実施を見送ることを公表しました。
これまで地域で取り組みをされてきた皆さん、さまざまな立場から意見を寄せてくださった皆さんに、まず敬意を表したいと思います。
地球温暖化対策を進め、脱炭素社会を実現するためには、再生可能エネルギーの導入は欠かせません。風力発電も、その重要な選択肢の一つです。
一方で、再生可能エネルギーだからといって、どのような進め方でもよいわけではありません。地域の自然環境や生活環境への影響に十分配慮し、住民の理解と納得を得ながら進めることが不可欠です。
寅沢の事例は、そのことを改めて教えてくれました。
私が今後の風力発電事業に必要だと考える点は、次の六つです。
第一に、地域との対話を最優先することです。事業計画が固まってから説明するのではなく、候補地を検討する初期段階から住民や自治体と十分な対話を重ねることが重要です。
第二に、情報公開を徹底することです。環境調査や騒音、景観、水環境への影響などについて、専門家だけでなく住民にも分かりやすい形で公開し、透明性を確保しなければなりません。
第三に、科学的で十分な環境調査を行うことです。地下水や湧水、水量、水質、生態系など、地域の実情に応じた調査を行い、その結果を第三者も検証できる仕組みが必要です。
第四に、地域が利益を受ける仕組みを整えることです。発電事業の利益が地域外へ流出するだけではなく、地域企業の参画や自治体への還元、地域振興につながる制度づくりが求められます。
第五に、立地の適性を十分に見極めることです。風況だけではなく、自然環境や生活環境への影響を総合的に評価し、保全すべき地域では慎重な判断が必要です。
第六に、国や自治体が明確なルールを整備することです。住民参加の手続きや環境保全の基準を明確にすることで、地域にとっても事業者にとっても予見可能性が高まり、無用な対立を避けることができます。
私は、再生可能エネルギー政策は、「地域と対立しながら進める」のではなく、「地域とともに育てる」という考え方に転換すべきだと思っています。その点で、アセス法の見直しも検討課題にのぼります。
脱炭素は重要です。しかし、その実現のためには、地域の信頼が不可欠です。
科学的根拠に基づく判断、徹底した情報公開、住民参加、そして地域への利益還元。この四つを柱とした制度を築くことができれば、再生可能エネルギーは地域社会と共生しながら発展していくことができるはずです。
今回の寅沢の経験が、このような新しいルールづくりにつながるように、私も取り組みを継続して参ります。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年7月24日 その6906『逢坂誠二の徒然日記』8603回】
#逢坂誠二 #歩く歩く聞く聞く
#函館 #寅沢風力発電 #再生可能エネルギー