徒然日記
再エネと住民参加【26年5月25日 『逢坂誠二の徒然日記』8543回】
1))再エネと住民参加
青木美希さんの『それでも日本に原発は必要なのか?』(文春新書、2026年)では、ドイツの風力発電政策について、「住民参加」が極めて重要な柱として紹介されています。
アゴラ・エネルギーヴェンデのミラ・ウィンツェル氏の言葉が印象的でした。
まず事業者は、土地所有者に土地を貸してもらえるか確認し、その上で自治体が前向きかどうかを確かめます。そして「進められる可能性がある」と判断した段階で、できるだけ早く住民への説明や議論に入るべきだとしています。
つまり、計画が固まり、建設直前になってから説明するのではなく、
・計画段階から住民が関与する
・情報を共有する
・自治体と住民が一緒に議論する
ことが重視されているのです。
同氏は、
「非常に早い段階での住民参加が重要であることが分かっている」
と明言しています。
こうしたことは、私自身、かつて関わった迷惑施設を含む様々な公的事業の過程でも実感してきたことです。とにかく早い段階から住民参加を呼びかけることが重要なのです。
しかし現実には、ある程度事業が固まってから説明するケースが少なくありません。これでは、住民の側に「既に決まっているのではないか」という不信感が生まれ、物事はうまく進みません。
今回の寅沢風力発電事業についても、もし私が事業者の立場なら、方法書以前の段階から説明を始めたと思います。
また、ドイツでは単なる説明会だけではなく、「地域への利益還元」も制度として組み込まれています。
再エネ法第6条では、発電事業者が自治体に対し、発電した電力1キロワット時あたり最大0.2ユーロセントを支払う仕組みがあります。
さらに州によっては、事業者に対し、収益の一部を自治体へ還元することを義務付ける「住民参加法」を設けている場合もあります。
その収益は、
・子どもの遊び場整備
・プール建設
・消防団活動
など、地域のために使われます。
つまりドイツでは、
「地域に負担を求めるなら、地域にも利益が還元されるべきだ」
という考え方が制度化されているのです。
そして、その前提として、
「地域住民が早い段階から議論に参加できること」
が重視されています。
この点は、日本の再エネや大型開発の議論においても、極めて重要な示唆を含んでいるように思います。
日本の再エネ政策を地域社会との信頼関係の上に築いていくためにも、こうした取り組みを参考にしながら、制度や運用の再構築に取り組みます。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年5月25日 その6846『逢坂誠二の徒然日記』8543回】
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