徒然日記
外国の旗を損壊する罪【26年4月29日 『逢坂誠二の徒然日記』8517回】
今日から本格的なGWのスタートです。もうすでに休みに入っている方も多いと思います。また逆にGWこそが仕事という方もおられます。いずれの皆さんも、有意義な時間を過ごして頂きたいと思います。
1)外国の旗を損壊する罪
昨日の日記で、「国旗を大切に思う一般的な国民の感情」を法益として国旗損壊罪を創設することには反対である旨を書きました。そのことに関連して、「外国の国旗には刑罰があるのに、自国の国旗に関する罪がないのはバランスを欠くのではないか」というご意見をいただきました。
私はこの点について、丁寧に整理しておく必要があると考えます。
刑罰は“何を守るためのものか”で考えなければなりません。
刑法における外国国章損壊罪(第92条)は、「外国の国旗を大切にする感情」を守るための規定ではありません。外国の国旗を損壊する行為が、相手国に対する侮辱と受け止められ、外交問題や国際紛争に発展するおそれがあるためです。
つまり、ここで守られているのは、国民感情ではなく、
日本の対外的安全や国際関係という、具体的で現実的な利益です。
さらに、この罪は当該外国政府の請求がなければ起訴できません。単に旗を損壊したという事実だけで成立するのではなく、その行為が外交上の問題として認識されることが前提となっています。
こうした点を踏まえると、外国国章損壊罪と、自国の国旗に関する議論は、同じ土俵で単純に比較できるものではありません。
守ろうとしている法益の性質が根本的に異なるからです。
「バランスを欠く」という見方は一見もっともに見えます。しかし、刑罰は最後の手段であり、その根拠は明確でなければなりません。曖昧な「国民感情」をそのまま法益とすることには、やはり慎重であるべきです。
私は、感情を直接の法益として刑罰で守るという考え方には賛成できません。むしろ、法益とは何か、刑罰とは何のためにあるのか、その原点に立ち返った議論が必要だと考えます。
皆さんは、この点をどのようにお考えでしょうか。
【参考】
(外国国章損壊等)
刑法第92条
外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
2
前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年4月29日 その6820『逢坂誠二の徒然日記』8517回】
#逢坂誠二 #歩く歩く聞く聞く
#中道 #函館
コメントは久しぶりになりますが、日々拝読しております。
「バランスを欠く」という見方は散見しますが、バランスを取るというなら外国国章損壊罪を廃止する選択もあるはずです。
侵略と虐殺を繰り返すロシアやイスラエル、最近のアメリカなどに抗議して国旗を損壊し、これらの政府の請求があれば起訴されてしまうのか? と考えれば、外国国章損壊罪を廃止する選択にも一理ありそうですが(実際、外国国章損壊罪なんてない国もありますし)、そちらを主張する人はほとんど見かけませんね。
この事実だけを見ても、この法案を主張する人々にとってアンバランスの解消は方便に過ぎず、目的は人々の内心に踏み込んで批判的な言動を抑え込むことにあると思わざるを得ません。
そもそも法律を制定するには、なぜその法律が必要なのか、社会的な事実を踏まえた合理的な根拠(立法事実)が必要なはずです。
例えば、街のいたるところで国旗が燃やされ、平穏に外を歩けないとか、現にそんな状況が生じているならともかく、少なくとも私はこれまでの人生で国旗が損壊される光景を一度も目にしたことがなく、必要性が到底理解できません。
それに、例えば袴田さんや大河原化工機の相嶋さんなど、国家権力によって人生を完全に破壊された人々がその国(日本)の国旗を燃やしたり破ったりして、それを一体誰が批判できるでしょうか?ましてや犯罪者として刑罰を科そうなんてとんでもない話です。
政治家がすべきことは国旗を損壊した人を犯罪者として処罰する制度を作ることではなく、彼らのような被害者が出ないような、国旗損壊など考える人がいなくなるような社会、そのための仕組みを作ることでしょう。
再審法の改悪には反対せず、かたや国旗損壊罪の制定には前向きな政治家など絶対に選んではならないと思いますし、逢坂さんのような方にこそ国会に戻ってほしいと願っています。