徒然日記

ラピダス再考/逢坂誠二 7862回

【24年7月11日 その6165『逢坂誠二の徒然日記』7862回】
夜明け前の都内、今日も気温は25度を上回っています。雲が多めで9時頃から弱い雨になる見込みです。予想最高気温は30度で昨日よりは過ごしやすい感じです。夕方には帰函しますが、函館の最高気温は25度の見込みです。

1)ラピダス再考
千歳で建設が進むラピダスは、政府が全面的に支援する半導体事業です。支援額は、補助金と債務保証を含め5兆円程度になると言われています。

半導体分野で、かつてのように日本が世界をリードできる立場になるために、手をこまねいていてはなりません。何とか成功して欲しいと私も思っています。

しかし懸念もあります。

*2ナノの半導体を工業的に作成できるか
*価格競争に勝てるか、販売先はどこか
*用水排水の環境への負荷は大丈夫か
*働く皆さんを確保できるのか

これらをはじめ課題山積です。もちろん外部に向けて十分に説明がされていないだけで、実現に向けて着実に準備が進んでいるなら、何の問題もありません。単なる私の杞憂に終るだけです。

現在、日本は40ナノの製造が可能ですが、10ナノは作ることはできません。一足飛びに世界最先端なのですから、不安になるなという方が無理なのかもしれませんが、とにかく工業的に2ナノが作れるかどうか、懸念の一つです。

現在、サムスン、TSMCが2025年に2ナノの製造を開始すると言っています。ラピダスの製造開始は早くても2027年4月です。

先行するサムスンなどよりも早く売り先を確保し、安く販売できるのか、この点も不安材料です。

半導体製造工場では、大量の水が必要です。もちろんその排水処理も必要になります。用水と排水は、急ピッチで工事が進められていますが、取水の可能性、処理水の環境への負荷などは、事前に十分に検討した上で、工場進出を決めたわけではありません。

この用水と排水によってどんなことが起こるのか、これも懸念材料の一つです。

心配だけではモノは進まないのは事実ですが、内容を知れば知るほど、工場の建設と稼働は、長期的・全体的展望には立脚していないことが明白です。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.7.11===
逢坂誠二への個人献金はこちらです。
ohsaka.jp/support/donation.html

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    ラピダスへの期待と、それに比例して膨らむ懸念、至極もっとも
    です。経産省が前のめりになって押していますが、生産機器の
    開発は出来ても、生産工場として2nmの半導体を量産できるか
    どうかは、全く別の話し。事務屋さんには想像がつかない
    問題が多々出てくることでしょう。用水排水問題、安定した
    動力確保の課題など、予定の操業までに解決すべきことも多々。

    スーパークリーンルームの中での生産になりますから、その
    設備の建設、維持管理には、並の半導体工場とは桁違いの労量、
    費用を要するでしょう。未知の世界です。

    サムスン、TSMCの量産開始予定の方が2年早いですから、
    ラピダスが曲りなりにも量産を開始した時には、既に市場の
    多くを押さえられている可能も大きいですね。

    気になるのは、北大はじめ、道内の大学が国から各種の手当を
    もらって半導体人材育成に走っていますが、すぐに梯子を外さ
    れる可能性は大であること。転んでも只では起きないための
    手を打ちつつ前へ進むことが必須です。

    うらべ
    ―――――――――

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