徒然日記
22年8月25日 その5480『逢坂誠二の徒然日記』(7177)
今日の夜明け前の東京の空は雲に覆われています。
気温24度、日中は27度との予報です。
1)原発に回帰
岸田総理は大丈夫なのでしょうか。
「設置許可済みの原発再稼働に向け、国が前面にたってあらゆる対応をとる」
岸田総理は昨日のGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で、
これまでに再稼働した10基に加え、7基の原発について
来夏以降に再稼働を進める方針を示しました。
冒頭はこの会議での総理の発言です。
7基の原発とは以下です。
(括弧内は30キロ圏内の人口です。)
関西電力高浜1、2号機(16万人)
東北電力女川2号機(19.8万人)
中国電力島根2号機( 44.8万人)
東京電力柏崎刈羽6、7号機(41.7万人)
日本原子力発電東海第2(87.5万人)
いずれも原子力規制委員会の主要審査は通っていますが、
再稼働に必要な安全対策工事や地元の同意の手続きが済んでおりません。
柏崎刈羽6、7号機と東海第2は、避難計画の取りまとめも終わっておりません。
3.11以前は、原発の稼働について、
原発の規制と推進を同じ役所が担ったりと原発に関する役割が曖昧でした。
そこで独立性の強い規制委員会を新設し、
推進側や政治からは一定の距離を置くことにしたのです。
しかも原発の稼働はあくまで、電力会社の責任で判断することが原則です。
「設置許可済みの原発再稼働に向け、国が前面にたってあらゆる対応をとる」
この発言の真意は何なのでしょうか。
「設置許可済みの原発」とは、日本の全ての原発を意味します。
「あらゆる対応」とは何を意味するのでしょうか。
過酷事故やテロに対応するために設置が義務付けられている
「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の設置期限を見直し、
未完成でも稼働できるようにするなどを意味するならとんでもないことです。
日本の原発は安全神話のもとで、原発の危険度を見ないふりをして立地を進めてきました。
その結果、原発から30キロ圏内に数十万人もの人々が暮らす地域にまで原発を立地させてしまったのです。
こうした危険度をきちんと確認することもなく、7基の原発の再稼働のためにあらゆる対応をとられても困るのです。
今、総理が行うべきことは、
これほど地震の多い日本で過酷事故が発生しないことを前提に立地させた日本の原発の危険度を確実に確認することです。
それも行わずに、避難計画も策定できていない原発も含めて、
一瀉千里に再稼働に突き進む総理も政府も信用することはできません。
昨日のGX実行会議では以下のことも打ち出されています。
*
次世代の革新的原子炉(革新炉)の開発・建設に向けた検討にも言及し、
新増設や建て替えは想定しないとした方針の転換
*
最長60年とされる原発の運転期間延長のルール見直し
====
日本の原発は他国の原発と違い特殊な事情にあります。
そのため危険度が高いのです。
そのことも認識することなく原発に回帰するのは極めて無責任です。
*地震(津波)が多い
*過酷事故が起きない前提での立地
これが日本の特殊要因です。
*使用済み核燃料の処理ができない
*発電時には二酸化炭素の発生はないが温排水で地球を温めている
原発の根本的にこうした問題も抱えています。
今日は溜まった書類を集中的に整理します。
さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.8.25===
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こんにちは。
岸田首相、全くの科学オンチのようですね。
コロナ対策と言い、原発推進と言い、科学リテラシーの無さには呆れます。
ところで、下記の温排水の件ですが、気象庁のHPに下記の記述があります。
「海洋は大気から二酸化炭素を吸収しています。その量は、1990~2020年の平均で1年あたり
21億トン炭素です(トン炭素:炭素の重さに換算した二酸化炭素の量)。海洋の二酸化炭素の
吸収量は、数年から10年程度の規模で変動しながら、全体として増加しています。」
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/a_2/co2_flux_glob/co2_flux_glob.html
また、政府の出した別物に記載されている内容ですが、「…表面海水中の二酸化炭素の
分圧が大気よりも高いと海洋は大気へ二酸化炭素を放出し、逆に水中の二酸化炭素分圧は、
水温、海水の鉛直混合や湧昇、生物活動といったさまざまな影響を受けて大きく変動して
います。例えば、水温が高くなると、二酸化炭素の水に対する溶解度が減少し、溶けきれ
なくなった二酸化炭素は表面海水中の二酸化炭素分圧を高くします」というこ記述もあります。
―(引用)――――――――――――――――
*使用済み核燃料の処理ができない
*発電時には二酸化炭素の発生はないが温排水で地球を温めている
原発の根本的にこうした問題も抱えています。
―――――――――――――――――――――
温排水による海水への放出熱量は毎秒数10~数100トンですから、その熱量は膨大。小出裕章さん
によれば、「100万kWと呼ばれる原子力発電所の場合、約200万kW分のエネルギーを海に捨てる
ことになり、このエネルギーは1秒間に70tの海水の温度を7℃上昇させる。」とのこと。
因みに、発電量100万kwの原発の場合、温排水量 70ton/sec、排水の比重 0.99、給排水温度差
7℃(排水温度40度)、比熱 4.2J/kg とすれば、排熱量は、4.2 x 7 x 990 x 100 x 10^3 x 10^3
= 204 ですから、オーダーは合っていますね。海水の年間平均温度を20℃とすれば、温度差20℃
ですから、海水温度上昇に資するには十分でしょう。
一方、火力発電所も同様に温排水を出しますが、しかし、その量は、従来型の発電所で発電量
100万kwあたり、温排水量 40ton/sec程度ですから、原発の凡そ半分。同じ発電量であれば、
原発は半分に減らすべきだと言う事になります。
何れせよ、温排水による海水からの二酸化炭素放出量増大は避けられないことですので、温排水の
海や河川への排出前の再利用による熱量の大気への放出後、河や海へ流すようにすべきでしょう。
しかし、どう転んでも地球を暖めている事には違いありません。地球と言う熱的に閉じられた空間
から不要な熱を排除する方法は大気の赤外放射以外にありませんが、その出口に支障が出ている
時代に差し掛かって居ることに間違いはなく、人類の生存活動がその原因の一つであるとすれば、
人類が存続している限り、地球のエントロピー増大を避けることはできないと言うことになりそうです。
その赤外放射が温室効果ガスにより減少していることが地球温暖化の直接的原因ですが、ここで、
小職は疑問に思う事が一つあります。同様な疑問を持つ人も少しは居るようです。
最近の、官民挙げての「脱炭素(脱脱原発)」の掛け声に隠された意図は見え見え、しかも原子力村
健在なりという事で終わらず、上記のような大学学部生の練習問題程度の科学技術知識程度すら
欠片もない、普通のオジサン・オバサン、オニイサン・オネエサン達が洗脳され、すっかり、
脱炭素≒原子力利用の流れに流されつつあるので、ことは深刻ですので、改めてサーベイして
みようと思う事があります。
それは、根源的疑問なのですが、「ほんとに人類の生産活動だけによって温暖化が促進されているの?」
と言う疑問です。というのは、40年程前までは、「地球はこれから寒冷化に向かう」と言われて
いました。しかし、1990年のIPCCの第1次報告書以来、地球は温暖化に向かっているという事に
なりました。それ自体は、長期の変動、短期の変動の違いを通じて事実だと確認されています。
と思って、F1爆発の頃、地球の平均気温変動と二酸化炭素の増減を比べてみたのですが、
どのグラフを見ても、3年前後、二酸化炭素増加に先んじて平均気温が上昇しています。
その後、見ることもなかったのですが、先般、久しぶりに探してみました。見つけたのは、
地球温暖化に関するフォーラムを主宰する海外の団体のHPだったように記憶します。二酸化炭素
削減をうたっていました。そこには団体の主催者のコメントが記載されていましたが、曰く、
「冷静に見て、二酸化炭素増加は地球温暖化の原因であると同時に結果でもある」と書かれて
ありました。URLをお気に入りに入れておけばよかったのですが失念し残念。
そう、小職の疑問はここにありますす。所謂、正のフィードバックが掛かり、二酸化炭素
増加以外の原因もあり、それにより気温上昇が二酸化炭素増加をもたらし、その結果気温が
さらに上昇する。その結果、更に二酸化炭素が増加する、以下同様…。現在の人間の産業活動、
エネルギー多消費型の生活が止まない限り、この勢いは止まらないでしょう。目先の減少に
踊らされて、個別の犯人を追う前に、どういう理由で温暖化しているのか、改めて調査研究
する必要があるのではないかと思っています。地球シミュレータ―のモデルを改良し、新たな
ファクターを設定して数値解析することで、見通しが良くなるのではないかなどと考えています。
P.S:この最近、メガソーラ、風力発電反対運動があちこちで起こって、良い子の
オジサン・オバサンたちが盛んに太陽光、風力の開発に反対していますが、
マスコミを巻き込んだ経産省の動きが感じられます。岸田首相の唐突な感じのする
審議会開催と、その結果を受けた形の発表の仕方はいかにも官僚仕草です。
日本の場合は、先般話題になった裁判の結果、ある意味、原発推進側にとっては、
「とんでもない判例」ができてしまっているのですから、なおさら、 「脱原発」は
「脱炭素」にとって、抜きがたい重要で強力な選択肢であるはずです。