徒然日記

22年3月9日 その5311『逢坂誠二の徒然日記』(7008)

夜明け前の都内、気温は3度程度です。

空に多少の雲がありますが、晴れの予報が出ています。

日中は13度まで気温が上昇するようです。

函館の朝の気温は氷点下5度程度です。

1)廃炉

東日本大震災から明後日で11年となります。

福島第一原発では廃炉作業が進んでおります。

しかし廃炉とは何か、この定義が未だに不明確なまま作業が進んでいます。

政府は廃炉作業は30〜40年かかるとの見通しです。

つまり廃炉まであと最大で29年となります。

廃炉の最大の課題は原子炉内で溶け落ちた核燃料です。

総量は880トンあるとされています。

東電はロボットアームによるデブリの取り出し試験を今年中に始めたいとしています。

そのアームで取り出せるデブリの量は1グラムです。

現在のロボットアームで持ち上げられる最大量は10キログラムとのこと。

一日10キロの取り出し作業が毎日実施できたとすると
880トンの取り出しに何年かかるのでしょうか。

880トン÷10キロ÷365日=約241年

241年も時間を要することになります。

仮に1日20キロにしても120年です。

毎日20キロもの核燃料を取り出すことを考え難いのが現実です。

原子炉から核燃料を取り出すだけで、
これほどの年数を要するのですから、
福島第1原発の廃炉作業が如何に困難なものかを示しています。

過酷な原発事故とはこれほどの大変なものなのです。

それでも政府は40年との工程を変えようとはしません。

2)道化師政治家

ある方にご紹介を頂き朝日新聞(3月5日)で、
フランスの作家クリスチャン・サルモンさんのインタビュー記事を読みました。

__長くなりますが、以下に記事を抜粋引用します__


トランプ氏やジョンソン氏、ブラジルのボルソナーロ大統領といった傍若無人な首脳の言動は、目立ちます


大げさで、人々をからかい、ののしる姿は、まるで道化師(ピエロ)が政権を握ったかのようです


デジタル空間に散らばって浮遊する人々の意識を、自ら騒ぐことによって結集する。道化師であることこそが、今や政治家の成功の秘訣


道化師政治家はこれまでの政治を徹底的に否定して、政治不信を高めることに成功


現代の政治運動は、民主的な議論からではなく、このような不信感から生まれます


ルペン氏が先駆者。ベルルスコーニ元首相が同氏をまねて放言を繰り返し、その手法はトランプ氏に受け継がれています


トランプ氏やジョンソン氏が優れているのは、自らに政権担当能力がある、などというそぶりを決して見せないことです。道化師に徹するのが成功の鍵だとわかっている


道化師の背後には必ず、アルゴリズムを駆使して戦略を立てるエンジニアが控え、デジタル空間での支持拡大をもくろんでいます


道化師とエンジニアは常にコンビを組んでいます。典型例は、ジョンソン氏と、首席特別顧問として英官邸を仕切ったドミニク・カミングズ氏でしょう


トランプ氏のエンジニア役を務めたのは、選対本部長だったブラッド・パースケール氏です


(カミングズ氏はその後ジョンソン氏と対立を深め、たもとを分かち)それはジョンソン氏の終わりを意味しています


エンジニアの支えなしに、道化師はその役を演じられません。ジョンソン氏は今、人々を魅了できなくなって、不器用な道化師と化しています


トランプ氏も、パースケール氏の辞任とともに、批判を集めるようになりました


(道化師の時代)にはもう、民主的な手法で政策論争をしたり、首尾一貫した統治を政府が進めたりする姿はありません


今の道化師の時代が長続きするとは思えません。すでに、トランプ氏の後にバイデン氏が米国の大統領を務めている。英国でも、ジョンソン氏を引き継ぐのは、正統派モデルの政治家ではないでしょうか


こうした動きの末に到来するのは、意外にも政党の復権、なのかも知れません

__以上、抜粋引用終了__

道化師の時代から正統派モデル、政党の復権と結んでいるのは光明です。

しかし日本では、本格的な道化師時代がこれから到来するような気がします。

今後、日本の政治は、極めて厄介な状態になると思います。

一方、私が注目したいのは、
「アルゴリズムを駆使して戦略を立てるエンジニアが控え、デジタル空間での支持拡大」
をもくろむとの下りです。

道化師の時代であれ、正統派の時代であれ、
デジタル空間がこれほどまでに広がった今、このことは極めて大切です。

実はこれはアナログの時代も、アナログなりに重要だったはずです。

政策を磨くことは極めて大切ですが、
アルゴリズムを駆使した戦略を持たねばなりません。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.3.9===

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