徒然日記

22年2月20日 その5294『逢坂誠二の徒然日記』(6991)

都内は昨日午後から、1時間に1mm程度の弱い雨がずっと降っています。

気温は4度程度で、午前は曇り、午後は晴れの予報が出ています。

北海道は低気圧の影響で、今日夜から明日にかけて風雪が強まり、大荒れの天気となる見込みです。

そのためもう既にJR160本の運休が決まっています。

十分な注意が必要です。

1)予算委員会

通常国会開会前から予算委員会に向け準備を進めていましたが、
今国会での質問はなしとなりました。

予算委員会で総理に質問すべきことは山のようにあったのですが、
政権の問題点、課題を追求できず、非常に残念です。

予算委で質問をしない国会は久しぶりのことになります。

*豪雪対策について
*水田利活用の直接支払い交付金の制度変更に伴う対応について
*水産資源の管理について
*原発について
*公文書について
*コロナ対策について
*教育に力を入れることについて
*在日米国軍人に対する水際対策について
*自民党の党是は憲法改正である理由は
*日米地位協定について
*日本の主権について
*技能実習生などの入国について
*経済安全保障について
*北方領土について

こうしたことについて準備をしておりましたが、次の機会に先送りとなります。

もちろん賞味期限のある質問もありますので内容を更新しつつ、
随分先になると思いますが、次の国会に備えます。

2)円の実力

以前からずっと気にしておりましたが、
円の実力、つまり物を買う力が大幅に下がっています。

国際決済銀行(BIS)発表の今年月時点の円の
「実質実効為替レート」(2010年=100)は67.55とのこと。

1972年6月は67.49で、それ以来の円安水準です。

実質実効為替レートは、総合的な通貨の実力をみる指標です。

BISは約60カ国・地域の為替レートや貿易量、物価変動などを考慮して算出しています。

円の実質実効為替レートは95年4月の150.85が最高です。

その後は、海外に比べ物価や賃金が上がらない中、円安政策を背景に低下が続き、
ピーク時の半分以下にまで落ち込んだのです。

もちろん円安だから当然との見方もあるようですが、
実質実行為替レートが下がる要因は他にもあるようです。

対ドルの円安は、この半年近く、
それほど急に変化しているわけではありませんが、
海外では物価が上がっています。

つまりドル円レートが変化していなくても、
円の物を買う力は落ちることになります。

さらに円安がそもそも良いのかを見極める必要があります。

輸出産業にとって円高は困る、円安の方が良い。

こんなこともあり、政策的に円安を誘導してきました。

しかし現在、海外に生産拠点を置く国内企業も多くあります。

それらの企業に円安は恩恵とはなりません。

逆に日本は、食料やエネルギーを輸入に頼っています。

この点で、円の物を買う力が弱まるのは、大きなデメリットです。

円安、物価低迷(海外は物価上昇)、上がらない賃金など、これらにより円の購買力が下がっています。

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イギリスの「エコノミスト」誌が1986 年から算出している「ビッグマック指数」というものがあります。

この指数は、基準とする米国のビッグマック価格に対し、
各国の価格がドル換算で何パーセント上回っている、
または下回っているかを示すものです。

下回っている国の通貨は購買力が低く、その国の人には米国の価格が高く見えます。

以下、2022年2月時点の指数です。

スイス:20.2%
ノルウェー:10.0%
アメリカ:0.0%
カナダ:マイナス8.8%
ユーロ圏:マイナス14.7%
イギリス:マイナス17.1%
中国:マイナス34.0%
韓国:マイナス34.3%
クロアチア:マイナス39.3%
グアテマラ:マイナス41.8%

この時点で日本は、マイナス41.7% です。

ビックマック指数で見る日本の円の購買力は、
中国、韓国、クロアチアよりも弱く、グアテマラと同程度となります。

コロナ禍前、海外に出張に行くと、海外の物価が高く感じられた方も多かったと思いますが、その感覚は、この指数から読み取れます。

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改めての実質実行為替レートの話です。

手元にある実質実行為替レート数値では、
1972年(67.49)以降、上下の変動はあるものの
95年(150.85)まで上昇しています。

それ以降、これも上下の変動はあるものの下がり続け
今月時点で67.55となっています。

95年当時以降、円の購買力がほぼ半分となって、 70年代前半と同じ水準にまで低下したのです。

この要因は前段に書いた通りですが、民主党政権時は100程度でした。

その後の異次元の金融緩和などのアベノミクスによって、
円の購買力の低下に拍車がかかっています。

21年の初めよりも水準を低下させた通貨はユーロ、韓国ウォン、円の三つですが、円は、ユーロ、韓国ウォンをも下回るレートになっています。

昨年秋頃から物価上昇傾向ですが、円の弱さが、この背景にあります。

消費が増える、物価が上がる、売上が増加する、賃金が上がる、さらに消費が増える、
アベノミクスは、こんなことを想定していたものと思いますが、残念ながらそれは実現していません。

今後、日本では何が予想されるでしょうか。

日銀は当面、金融緩和を続けるものと思います。

一方、FRB 、イングランド銀行、欧州中央銀行などは、利上げや金融緩和策を転換する傾向です。

つまり円だけが安い状態が続く可能性があります。

原油や穀物などの価格が高騰する中での円安によって、輸入品価格の上昇に拍車がかかります。

そうなれば企業も収益の悪化、価格転嫁、物価上昇、賃上げ余裕なし、消費低迷、
こんな悪い物価上昇になる可能があります。

家計も企業も厳しい状態に追い込まれます。

目先や足元の利益だけを追い続けた経済政策が、
国民の暮らしに深刻な打撃を与えかねません。

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今は、効果的な財政出動によって、国民の買う力を回復させる必要があります。

財政出動すべき分野は、色々ありますが、一つの柱は教育です。

教育への投資によって、家計の可処分所得を増やす必要があります。

これは経済対策になります。

子育て支援にもなり、人口減少対策にもプラスになります。

もちろん教育への投資は、あらゆる面から日本を支える将来への投資でもあります。

教育への投資は、今と将来を見据えた対策になるのです。

少し長くなりました。お読み頂き有り難うございます。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.2.20===

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