徒然日記
19年7月29日 その4357『逢坂誠二 の徒然日記』(6054)
昨日は、函館市内で活動し、夕刻に状況しました。
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憲法とは何か、憲法はどうあるべきか、立憲主義とは何かなど
憲法に関する議論は不断に、
かつ幅広く行うべきと考えています。
しかし改正の必要もないのに
憲法改正を目的にした議論は意味がありません。
安倍総理は、各党の(改正)案を提出して
議論すべきといった感じのことを言いますが、
現時点で、改正の必要がないと考えている政党は、
改正案がないことが対案です。
総理はこうしたことを理解されているのか、
どうもよく分かりません。
憲法改正が自民党の党是という言い方をしますが、
自民党の歴史をざっと眺めてみると、
党内での護憲派と改憲派の議論の経過もあり、
必ずしもそうでもない印象を受けます。
私の印象では、憲法改正が前面に出されたのは、
2005年か2006年くらいとの印象です。
1995年3月の党大会で決定した新宣言には、
「21世紀に向けた新しい時代にふさわしい憲法のあり方について、
国民と共に議論を進めていきます」との記述があり、
改正が党是との印象はあまり受けない感じがします。
他党のことですから、
憲法改正が自民党の党是であるか否かは
この程度に留めますが、仮に党是であったにしても、
自民党が憲法について、何をしたいのかが、
私にはよく分かりません。
先日、あるテレビ番組で自民党の方が、
占領下で制定された憲法だから、
自分たちの手で自主的に
制定する必要があるような話をしておりました。
(私は、この話には、素直に賛同はできませんが)
とは言うものの占領下で制定されているから
手続きも含めやり直すということではないと思います。
現行憲法が存在するわけですから、
そのルールのもとでの改正になるのは当然です。
しかし何をどの程度改正することが党是なのでしょうか。
1955年当時の憲法改正に対する考え方と
今の考え方は同じなのでしょうか。
これもよく分かりません。
何をすれば占領下で制定されたという、
自民党のいう不都合がクリアできるのでしょうか。
1)全ての条文を全面改正すること
2)一部でも良いから改正すること
現行憲法のもとで70年近く日本は進んできました。
この時間の積み重ねがありますので、
全面改正は相当に骨の折れることになる
非現実的なことでしょう。
ならば一部でも良いから改正した
という事実が必要なのでしょうか。
これで占領下というくびきから
脱することができるのでしょうか。
占領下で制定された憲法ではないことを明らかにするために、
憲法改正する必要がない中で、
単に改正をしたという事実を作ることは、
あまりに無駄な感じがします。
改正の必要がある場合に改正することが、
占領下での制定というくびきから脱する
最も現実的な道なのだと思います。
そこで改めて憲法改正が結党以来の党是というからには、
自民党は、1955年当時から、何を、どこを
改正すべきことと考えていたのかが問われるのだと思います。
なぜ私がこんな回りくどいことを言っているかというと、
今回、安倍総理が提示している憲法改正4条項は、
結党時からの党是とは言えないのではないかと思うからです。
教育、合区、緊急事態、これら3項目は、
最近になって浮上した改正項目であり、
以前からの課題、いわゆる党是と
位置付けられていたものではないと思われます。
9条改正は、如何でしょうか。
これが党是の本質でしょうか。
でも安倍総理は、最近の日本を取り巻く
国際情勢の変化を引き合いに出して、
安保法制や9条改正のことに
言及しているのではないでしょうか。
しかし9条改正が結党時からの党是というならば、
今の国際情勢の変化と無関係なはずです。
一体、自民党の党是である憲法改正とは何を意図しているのか、
このことをもっと明確にすべきなのだろうと私は感じています。
(9条改正が党是だが、色々な経過の中で、それは隠された党是であり、
最近になってやっと明らかにしたということも言えるかもしれません。)
私は、憲法は磨り減ることのない
不磨の大典だとは考えておりません。
必要があれば、国民的議論のもと、
国民投票によって改正も有り得ると考えています。
しかし現時点で、急いで改正すべき項目があるとは思っておりません。
もちろん解散権のことなど、いくつかのこと、
議論すべき論点があるのは事実です。
今、必要なのは、国民投票法制を
しっかりとしたものにすることです。
特に、CMに関する議論が必須です。
仮に占領下で制定された憲法の
正統性に疑問があったとしても、
今の憲法をよりも悪く変わるなら、
そのような改正は御免こうむります。
さあ今日もブレずに曲げずに、
確実に前進します。
==2019.7.29==