徒然日記
9月28日 その1525『逢坂誠二の徒然日記』
夜明け前の都内、気温は15度程度です。
9月も下旬、さすがに気温も下がってきました。
日中の予想最高も23度程度です。
雲が多少ありますが、
それほど天気は悪くない見込みです。
1)予算委員会
昨日も7時間に渡って、
衆院予算委員会が開かれました。
終日、野党からの質疑でしたが、
なるほどと思う内容がある半面、
随分と首を傾げざるを得ない質疑も
少なくありませんでした。
学ぶべきものについては、
後ほど議事録で
その内容を反芻したいと思っています。
2)税制調査会・政策調査会
7時間に渡る予算委員会の合間を縫って、
昨日は述べ6時間半に及ぶ、
役員会も含めた
税調・政調の会合が開催されました。
議題は、3次補正の内容、
特に税調は財源問題です。
復興債の償還財源として、
税負担を増やすことに対し、
相当な懸念の意見が出され、
この間、連日、活発な意見交換が行われていましたが、
昨夜、大まかな方向が決定され、
最終的に政府民主三役会議で内容が固まっています。
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議員定数の削減など、まず議員自身が身を切ること。
公務員宿舎の売却など税外収入を確保すること。
その上で不足する分を、新たな税負担で賄うこと。
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こんなことを考え方の基本とする、
内容となっています。
色々な議論がありましたが、
政調全体会は、最終的に拍手で終了しました。
3)エマニュエル・トッド
政府内にいたこの2年間、読書量が低下していました。
その分を取り戻そうというわけでもないのですが、
最近は、時間の隙間を見つけて、
少しでも多くの本を手にしています。
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過日、片山前総務大臣から紹介された、
エマニュエル・トッド『自由貿易は、民主主義を滅ぼす』(藤原書店)を、
早速読んでいます。
この本は、
『デモクラシー以後』、
『文明の接近』など、
トッドのこれまでの著作全体を知ることのできる
入門的内容も含まれ、
トッドを初めて読むには良い内容です。
== 以下冒頭抜粋 ==
経済のパイを拡大したり、
それぞれの国が得意な分野に特化する場合には、
自由貿易は良いシステムだと思います。
(1970年代まで続く経済繁栄の時代、)
経営者たちは、
自分たちの労働者の給料、賃金を上げれば、
同時に需要も上がることを理解していた。
ですから技術革新によって、生産性を上げ、
賃金を上げることによって、
需要をさらに刺激することができた。
その後、次第に自由貿易に移行していきます。
そうなると、
「企業が支払う賃金は、国内需要を生み出すものだ」
という意識が希薄になって行きます。
そしてさらには、
すべての国、すべての企業が
賃金を単なるコストとみなすようになる。
こうして世界全体の需要が縮小していきました。
自由貿易によって経済活動をし、発展すれば、
賃金も上がり、需要もつくられる。
これは賃金の低い新興国がない世界では、
実現可能なモデルですが、
新興国に、非常に低い賃金で働く労働者が膨大にいる。
そうなると、このモデルは壊れてしまう。
実際、国際規模での給与水準は下がる一方です。
その結果として、世界規模で需要不足が生じている。
そもそも経済危機はなぜ起きたのか。
まずは世界的な需要不足が生じていました。
米国は、世界の最後の消費者として、
膨大な貿易赤字まで出して、
さらにはサブプライムローンとう複雑な仕組みまで用いて、
ウソの需要を作り出していた。
そのメカニズムが崩壊したということです。
私が驚くのは、
各国の指導者たちが、危機がなぜ起きたのか、
その基本的なメカニズムを
きちんと分析していないことです。
確認されたのは、
単に世界的に需要が不足している、
ということだけです。
要するに
「自由貿易こそ金融危機の原因である」という
根本原因を誰も認めようとしない。
自由貿易のメカニズムの再生プランを講じても、
先進国は、また同じ問題に直面することになる。
つまり、新興国とコスト競争をしなければならない。
この数年間に講じられた再生策も、
先進国のためよりは、
むしろ新興国に恩恵を与えていることが、
お分かりいただけると思います。
「自由貿易」という言葉は、
一見、美しく、「自由」には良い響きがある。
自由貿易の現実というのは、
そうではありません。
万人が万人に対して、経済戦争を仕掛けている。
自由貿易の現実とは、そのようなものです。
ですから、あちらこちらで経済対立が起こり、
万人の賃金に圧縮がかかる。
そして、あらゆる先進国において、
格差拡大と生活水準の低下が起こる。
自由貿易を行う国が、
必ずしも平和な国であるわけではありません。
自由貿易の伸長と共に、排外主義が台頭してくる
== 以上、引用終了 ==
極めて興味深い指摘です。
もちろんトッドに対する批判もあります。
いずれ批判論文も読んでみたいと思います。
今日は、昨日よりも早く、
朝から部門会議が開かれます。
寝ぼけまなこをこすって覚醒せねばなりません。
さあ、今日もしっかりと前進します。
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2011・9・28 Seiji
Ohsaka
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