徒然日記
3月22日 その2039『逢坂誠二の徒然日記』
昨日、京都府立大学で仕事があり、
今日も京都で朝を迎えた。
朝の気温は一桁と低いが、
日中は17度にもなるという。
今日の夕刻には帰函し、
私の政治塾生の送別会を行う予定だ。
函館の予想最高気温は7度。
こちらよりも10度も低いが、
プラスとなっている。
1)自治基本条例
全国初の自治基本条例となる
「ニセコ町まちづくり基本条例」が
施行されたのは12年前の4月だ。
昨日は、京都府立大学の
連続自治体セミナーの一環で、
自治基本条例をテーマに話をさせて頂いた。
この条例を題材に講演するのは久しぶりだ。
このセミナー、
昨年11月に予定されていたものだが、
衆院の解散で中止になり、
今回改めて仕切り直しての講演となった。
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ニセコ町まちづくり基本条例には、
4年に一度の見直し規定が設けられており、
平成17年12月に一次見直し、
平成22年3月に二次見直しが行われた。
「まちづくりなどをとりまく考え方や
社会情勢は刻々変化しています。
自治のための新たな発想や枠組みも生まれています。
国内外における時代の動きを常に捉えながら、
その一歩先の将来を考えていくことが必要です。
その意味で、町民が将来にわたり育てていく条例として、
この条例を位置付けています。
条例見直しのタイミングごとに、
自治の方向性やさまざまな制度の点検、
見直し を行うことができます。」
この見直し規定は、こうした考え方に基づくものだ。
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〈一次見直しの内容〉
議員提案により追加した条項
・議会の役割と責務(第6章)
・議会の役割、責務、組織等(第17条〜19条)
・議会の会議、会議の公開(第20条〜21条)
・議会の会期外活動、政策会議の設置(第22条〜23条)
・議員の役割、責務(第24条)
町の提案により追加した条項
・政策法務の推進(第28条)
・危機管理体制の確立(第29条)
・法令の遵守(第35条)
・総合計画進行状況の公表(第39条)
・評価における町民参加(第47条第2項)
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〈二次見直しの内容〉
・子どもたちのまちづくりに参加する権利の保障
・町が設置する審議会等への女性の参加の拡充
・町の予算作成にあたっての透明性の確保
・町が条例をつくり又は廃止する場合の町民参加等の徹底
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まちづくりを取り巻く情勢は、
時々刻々変化している。
自治基本条例に対する考え方も
必ずしも定まったものがない。
情報共有と参加という二つの基本理念を柱としながら、
この条例に対し、常に緊張感を持って接する必要がある。
4年に一度の見直し規定は、
この緊張感をもたらすものでもある。
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昨日の講演は、
冒頭に現状に対する懸念を話した上で、
自治基本条例の内容に入った。
現状に対する懸念とは、
TPP、憲法、原子力発電、
そして自律的な自治の後退だ。
講演の最後には、
龍谷大学の富野先生からもコメントを頂いた。
以前から私が述べている。
「行政の本質はサービス機関ではなく、
権力機構だ」
に言及され、
「情報が権力の源泉であり、
ニセコ町の基本条例は、
その権力の源泉を住民と共有しつつ
まちづくりを進めると規定したところに意味がある」
といった旨の話をされた。
有り難いコメントを頂いた。
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講演には、
京都市、舞鶴市、大津市などから、
旧知の皆さんにも、わざわざ参加を頂いた。
京都政策研究センターの
青山公三センター長、小沢修司先生、
杉岡秀紀先生、藤沢実先生、
村山紘子研究員、
それぞれの皆さんには大変お世話になった。
特に杉岡先生には、
私の著書を丁寧に読んで頂き、
その内容を数多くTwitterにアップ頂いた。
自分の発言を、改めて読むことで、
多くの刺激を頂き、
杉岡先生には格別の感謝をしている。
先日の沖縄に引き続き、
多くの刺激を受けた京都府立大学での講義だった。
多くの皆さんに、改めて感謝。
2)日銀
日銀の新体制がスタートした。
随分と威勢の良い発言が多い陣容で、
一抹の不安を覚える。
黒田新総裁の記者会見からは、
次のような方向が読みとれる。
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・
物価上昇率2%の目標について2年をめどに達成
・
目標達成に向け、量的、質的にさらに大胆な緩和を進める
・
デフレからの脱却に向け、やれることはなんでもやる
・
国債などを買って市場にお金を流し込む
・
日銀のいまの緩和手法についてわかりにくい
・
基金を通じて国債などを買う
・
国債を担保にお金を貸す
・
複数ある日銀から銀行への資金供給ルートを一本化する可能性
・
来年から始める予定の無期限の金融緩和の前倒し
・
投資信託などさまざまな金融資産の買い増し
・
日銀が保有する長期国債の量を出回っている紙幣の量までとし
買いすぎに歯止めをかけている銀行券ルールの撤廃を検討
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また岩田規久男副総裁は、
目標を達成できなかった場合の
最高の責任の取り方は辞任だと言う。
確かにそうなのだろうが、
就任当初にそんなことに言及するのは如何にも軽い。
重要な職に就いている人間は、
辞任などに対し軽々と言及してはならない。
職の重さとはそういうものだ。
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威勢は良いが、政策面と心構えの面で、
不安を抱える新生日銀のスタートとなった。
さあ今日も、しっかりと前進します。
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2013・3・22 Seiji Ohsaka
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