徒然日記

「力の支配」ではなく「法の支配」を 【26年8月21日 『逢坂誠二の徒然日記』8631回】

やっと風邪の症状が少し落ち着いた感じがします。それでもまだ喉、声は本調子にはなりません。

1)「力の支配」ではなく「法の支配」を
トランプ政権は18日、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象に指定しました。
トランプ政権はこれまでも、ICCの裁判官や検察官らに制裁を科し、加盟国に脱退を促すなど、ICCへの圧力を強めてきました。そして今回、ついにICCのトップである赤根所長まで制裁対象としました。極めて深刻な事態です。

米国によるICCへの圧力については、北海道新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞、信濃毎日新聞、東京新聞など、立場の異なる各紙が相次いで社説で批判しています。
これは、政治的立場の違いという問題ではありません。

「力による支配」ではなく「法の支配」を守ることができるのか。
国際秩序の根幹にかかわる問題です。

国内社会には、法律を執行する政府があり、違反を捜査する警察があり、最終的に判断する裁判所があります。しかし国際社会には、世界全体を統治する「世界政府」はありません。
だからこそ、国の大小や軍事力、経済力の強弱にかかわらず、共通のルールに従うという約束が極めて重要になります。
もし「力の強い国ならルールを破ってもよい」「自国に不都合な判断には従わなくてもよい」ということになれば、国際社会は次第に「法」ではなく「力」によって動くようになります。
そのとき大きな不利益を受けるのは、軍事力や経済力の限られた国々です。
そして日本も例外ではありません。資源やエネルギーの多くを海外に依存し、貿易によって経済を成り立たせ、安全保障も国際社会との協力なしには成り立ちません。
したがって、法の支配に基づく国際秩序を守ることは、単なる理念ではありません。日本自身の安全と繁栄を守ることでもあります。

しかし、国際社会で法の支配を貫くことは、国内以上に困難です。
国内であれば、法律に違反した者に対して国家が強制力を行使できます。しかし国際社会には、それぞれ主権を持った国家が存在し、その上に立って一律に命令できる政府はありません。
しかも、大国ほど強い軍事力、経済力、外交力を持っています。
そのため、国際機関が大国にとって不都合な判断をしたとき、その大国自身が国際機関に圧力をかけたり、協力を拒否したりすることが可能です。今回のICCをめぐる問題は、まさに国際社会が抱えるこの弱点を浮き彫りにしています。

法が最も必要になるのは、力と力が衝突するときです。しかし、その法を守ることが最も難しくなるのも、強い力を持つ国が法に反発するときです。
だからこそ、各国の姿勢が問われます。

法の支配は、条約を結び、裁判所をつくっただけでは維持できません。
自国に都合のよい判断だけを尊重するのではなく、自国や同盟国にとって不都合な場合であっても、法と司法の独立を尊重する。そこに本当の意味での法の支配があります。

今回の問題を一言で表現するなら、
「力のある国にも法が適用されるのか」
という問いです。
力の弱い国だけが法に従い、力の強い国が自らの都合によって法を無視できるのであれば、それは「法の支配」ではなく「力の支配」です。
米国は日本にとって極めて重要な同盟国です。しかし、同盟国であることと、その国の行動をすべて容認することは別問題です。

高市政権は、今回の赤根所長への制裁について「大変残念」と述べるにとどまっています。
しかし、これは国際司法機関の独立を脅かし、「法の支配」に基づく国際秩序を揺るがしかねない重大な問題です。「残念」との表明だけでは、到底十分とは言えません。

日本はICCを長年支えてきた主要国であり、「法の支配」を外交の重要な柱として掲げてきました。そして、法の支配に基づく国際秩序が維持されるかどうかは、日本自身の安全と繁栄にも直結します。
だからこそ、相手が同盟国の米国であっても、今回の制裁には明確に反対し、その撤回を求めるべきです。
中国やロシアには法の支配を求めながら、米国に対しては曖昧な態度をとるのであれば、日本外交の説得力そのものが損なわれます。
相手がどの国であっても、法の支配という原則を貫く。
日本は今、その姿勢を明確に示すべきです。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年8月21日 その6934『逢坂誠二の徒然日記』8631回】

#逢坂誠二 #歩く歩く聞く聞く
#函館

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. 対外的には「残念」はunfortunateと配信されたようですが、英英辞典を見ると

    ・unlucky
    ・having bad effects

    であり、「残念」以上に批判や皮肉のニュアンスは皆無です。

    国民を守るためのコメント1つ発することなく、防衛予算は前倒しで倍増。この政権は一体何を守ろうとしているのでしょうか。

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