徒然日記

副首都よりも国家の姿を 【26年7月14日 『逢坂誠二の徒然日記』8593回】

今日は新月です。机上で整理すべきことが多く、昨日は家にこもっていましたが、予定の仕事が終了しませんでした(^^;;

1)副首都よりも国家の姿を
現在、国会では副首都に関する法案が審議されています。今日にも衆議院で採決されるとの報道もあります。

この法案は、大規模災害が発生した際にも、国の政治、行政、司法、経済などの重要な機能を維持できるよう、東京以外に首都中枢機能を代替する副首都を整備するとともに、東京一極集中を是正し、多極分散型の経済圏を形成することを目的としています。

例えばドイツでは、首都ベルリンに政治機能が置かれる一方、ボンにも政府機能の一部が残され、フランクフルトやミュンヘンなども、それぞれ金融や産業の中心として特色ある役割を担っています。こうした多極分散型の国土を目指すという考え方には、理解できる面があります。

しかし、今回の法案を見ると、多くの疑問があります。

第一に、東京一極集中を是正するための具体的な手立てが示されていません。
副首都を新たに整備するだけで、東京への人口や行政、企業、大学、情報などの集中が自然に解消されるわけではありません。東京からどの行政機能や経済機能を、どこへ、どの程度分散させるのか。その工程や期限も明らかにされていません。
東京の機能をほとんど変えないまま副首都だけを整備して、本当に多極分散型の国土が実現するのでしょうか。場合によっては、東京への集中を残したまま、特定の大都市への新たな集中を生み出すだけになりかねません。

第二に、法案の目的が必ずしも明確ではありません。
法案は、「国家社会機能の継続」と「多極分散型経済圏の形成」という二つの目的を掲げています。しかし、国家機能の継続を最優先する防災・危機管理の法案なのか、特定地域への投資を促す経済成長政策なのか、その関係や優先順位が十分に整理されていません。
災害への備えであれば、行政や通信、交通、エネルギーなどの機能を複数の地域へ分散させることが重要です。一方、経済成長を目的とするなら、特定の地域への機能や投資の集積が重視されることになります。この異なる二つの方向を、どのように両立させるのかが見えません。

第三に、副首都の指定基準の多くが、法律ではなく政令に委ねられています。
東京圏との同時被災の可能性、国の行政機構の立地、人口や経済の集積、地方行政体制など、副首都を選ぶうえで極めて重要な基準について、法律には具体的な内容が示されていません。
どの地域が対象になり得るのか、何を基準に比較するのか、副首都はいくつ設けるのかも明確ではありません。国の将来の姿を左右する制度である以上、重要な判断基準を政府の政令だけに委ねるのではなく、国会で具体的に議論すべきです。

東京に集中している機能を分散させることは、万が一の災害に備えるためにも、日本の各地域がそれぞれの特性を生かして多様に発展するためにも、重要なことです。

しかし、地域を指定する前に必要なのは、東京をどのように変えるのか、各地域にどのような役割を担ってもらうのか、国全体としてどのような機能分担を目指すのかという国家の姿の基本的な考え方です。

その国家像が曖昧なまま、先に副首都だけを指定すれば、首都機能の分散ではなく、行政機能や投資の取り合いになりかねません。

今回の法案を急いで成立させる必要は全くありません。

むしろ、この法案の提出を契機として、東京一極集中をどう是正するのか、首都機能をどのように分散するのか、そして東京をはじめとする日本の都市と地域のあり方をどう再構築するのかについて、国民的な議論を始めるべきです。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年7月14日 その6896『逢坂誠二の徒然日記』8593回】

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