徒然日記
国旗損壊罪の弊害【26年6月19日 『逢坂誠二の徒然日記』8568回】
東証株価が7万円を突破しました。円は160円台後半と安値基調です。
何やら落ち着かない、雰囲気です。
1)国旗損壊罪の弊害
先日、国旗損壊罪は不要だと書きましたが、今日は国旗損壊罪による、今の時点で私が思いつく弊害に言及します。
1.国旗をめぐる国民の分断を招くおそれ
本来、多くの国民は政治的立場にかかわらず、国旗を粗末に扱うべきではないと私は考えています。
しかし、国旗損壊罪を創設すると、議論は
*国旗を大切に思うかどうか
ではなく、
*国旗を刑罰で守るべきかどうか
へと変わります。
その結果、本来は国旗を尊重している人同士が、
*賛成派
*反対派
に分かれて対立することになります。
国旗への敬意を高めるための法律が、逆に国旗を対立の象徴にしてしまう可能性があります。
2.国旗への敬意が「自発的なもの」ではなくなる
国旗への敬意は、本来、人々の経験や社会の中で自然に育まれるものです。
ところが刑罰によって保護しようとすると、
「尊重すべきだから大切にする」
のではなく、
「処罰されるからやらない」
という発想が入り込みます。
それは国旗への敬意を育てるというより、国家権力による規制に依存することになります。
3.刑罰権の拡大につながる
今回の法案は、生命や身体、財産ではなく、
国旗への敬愛感情
国旗の尊厳
といった抽象的な価値を保護しようとしています。
もしその理由で犯罪を創設できるのであれば、
他の象徴や感情についても同様の規制を求める議論が生まれる可能性があります。
刑法の対象が広がることへの懸念があります。
4.表現の自由への萎縮効果
たとえ処罰件数が少なくても、
「どこまでが犯罪になるのか」
という不安は人々の表現活動に影響します。
特に政治的な抗議活動や芸術表現、風刺表現との境界が問題になる可能性があります。
民主主義社会では、できるだけ自由を保障することが重要です。
5.立法事実のない犯罪創設という前例を残す
私はこれが最も重要な問題だと思います。
新たな犯罪を創設する以上、
*現実にどのような被害が生じているのか
*現行法ではなぜ対応できないのか
*なぜ新たな処罰が必要なのか
が示されなければなりません。
しかし、今回の法案については、そのような立法事実が十分に存在しているとは思えません。
立法事実が乏しいまま犯罪を新設することが認められれば、将来もまた「世論が気になる」「感情的に許せない」という理由だけで刑罰法規を作ることが可能になりかねません。
6.民主主義に必要な寛容さを失わせる
民主主義社会には、好ましくない意見や行為であっても、直ちに国家権力で排除しないという寛容さが必要です。
国旗を損壊する行為は褒められるものではありません。しかし、社会が成熟していれば、その行為に対する評価は社会の中で自然になされます。
私は、国旗を尊重する気持ちことは大切だと思います。しかし、その気持ちは法律によって強制されるものではなく、人々の良識や社会の成熟によって支えられるべきものです。
国旗損壊罪の創設は、国旗への敬意を高めるどころか、国旗を対立の対象とし、国民の分断を招き、さらに立法事実の乏しいまま刑罰権を拡大する前例となるおそれがあると考えています。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年6月19日 その6871『逢坂誠二の徒然日記』8568回】
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