徒然日記

内村匡成さんの尺八【26年5月10日 『逢坂誠二の徒然日記』8528回】

日の出前の午前4時に目が覚めましたが、函館は既に明るい雰囲気です。雲が少なく7度程度、肌寒く感じます。日中も晴れ、18度程度の見込みです。

1)内村匡成さんの尺八
昨日、函館市出身の尺八奏者、内村匡成(まさなり)さんの尺八演奏30周年記念コンサートにお邪魔しました。
江差追分などの伴奏として尺八を聴く機会はこれまでも多々ありましたが、尺八だけのソロコンサートは初めてです。

内村さんは14歳から林成道師匠に師事し、尺八を始められました。最初の10年は、江差追分の前歌と黒田節、ほぼこの2曲だけを徹底して演奏し、演奏力と表現力を磨いたとのことです。

「首振り3年、ころ8年」という言葉があります。首振りによるビブラートを体得するのに3年、「ころ」と呼ばれる指遣いを身につけるのに8年。それほど尺八の演奏は難しいものなのです。

昨日のコンサートは、内村さんが10年練習し続けたこの2曲で始まりました。初めての尺八ソロコンサートでしたが、思わず完全に引き込まれました。

尺八独特の、竹と息が触れ合うことで生まれる掠れた渋い音。その一音が会場に響いた瞬間、空気そのものが変わったように感じました。低く深い音は、大地を這う風のようでもあり、山間を渡る霧のようでもあります。

そこから一転して、突き抜けるような高音が会場を貫きます。鋭さの中にも透明感があり、まるで空高く放たれる鳥の声を聴くようでした。さらに、指遣いによって生み出される転がるような旋律は、時に水の流れのように滑らかで、時に人の情念を語りかけるようでもあります。

音と音の間の「間」にも、深い表現がありました。ただ音を鳴らすだけではなく、息遣いそのものが音楽になっているのです。静けさの中から立ち上がる音、そして余韻が消えていく瞬間までが、一つの世界を作っていました。

尺八がこれほどまでに繊細で、力強く、そして情景や感情を描き出す楽器だったとは、まさに驚きの瞬間でした。

内村匡成さんは、幼いころから父・徳蔵さん、母・悦子さんのもとで江差追分に親しみ、民謡に取り組んでこられました。14歳から尺八研究会「和楽泉」主宰の林成道さんに師事。2021年には北海道民謡連盟尺八師範となりました。

林さんの没後、2025年からは和楽泉を継承し、尺八の指導や後進の育成にも力を注いでいます。道内を中心に、民謡伴奏やイベントなどで幅広く演奏活動を続けています。

昨年には初のアルバム『影謡 – kageuta -』を発表。さらに民謡では、2024年の江差追分全国大会、民謡民舞全国大会青年部旗戦の江差追分で優勝されています。

私は、徳蔵さん、悦子さんご夫妻には、長年にわたり大変お世話になってきました。お二人が主宰される声徳会は、江差追分や民謡の継承だけでなく、チャリティー活動を行うなど地域に根差した温かな活動を続けておられ、多くの方々に親しまれています。
そのご夫妻のもとで育ち、研鑽を積み重ねてきた匡成さんが、尺八演奏30周年という節目を迎えられたことは、私にとっても本当に嬉しいことです。

伝統を受け継ぎながら、新たな尺八の魅力を伝える内村匡成さんの演奏に、深く心を揺さぶられました。30周年記念、改めておめでとうございます。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年5月10日 その6831『逢坂誠二の徒然日記』8528回】

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