徒然日記
保険証のなりすまし被害/逢坂誠二 #7557
【23年9月10日 その5860『逢坂誠二の徒然日記』 #7557】 昨日、帰函し、函館市内で、 歩く歩く聞く聞く です。海保の巡視船つがるの体験航海に参加予定でしたが、台風など影響を考慮し中止となり、船内の一般公開に出席しました。今日は、朝のうちに市内のイベントに出席し、午後は、養老孟司先生などの話を都内で伺った後、夜には帰函します。夜明け前の函館の空全体に雲があります。気温22度。曇のち晴れ、予想最高気温は28度の見込みです。
1)保険証のなりすまし被害 河野大臣が、7月10日に講演で次の発言をしたと報じられています。
「今の保険証で困っていないというのはそうかもしれないが、なりすましや使い回しが現に起きていて、それなりの被害になっている。」
この「それなりの被害」について調べてみたのですが、政府からは具体的な数字については、なかなか話が出てきません。そこで国会図書館に調べてもらったところ5月19日の参院地方創生デジタル特別委員会での答弁が、唯一、政府が数字に言及したものとのことです。
「市町村国民健康保険では2017年から22年までの5年間で50件のなりすまし受診や健康保険証券面の偽造などの不正利用が確認されている」
国保加入者約2500万人に対して、年間約10件程度の不正利用。これが厚労省の把握している数字です。
また2003年度の「厚生労働化学研究費補助金による研究報告書」に次の記載がありました。(これも国会図書館に調べてもらったものです。)
「保険情報の誤りや不正使用は、全国で年間600万件にも上っており、その処理のための経費は1000億を越えると推定されている」
これは凄い数だと思ったのですが、その数値の典拠はなく「多くは単純な保険証の番号の間違いである」と記載されています。
また政府統計・白書等も調査してもらいましたが、保険証の不正利用件数がわかる資料はなかったとのこと。
つまり政府が把握している、保険利用における不正利用は多くはないようです。
====
一方、報道では、なりすまし受診のことが確認できます。
遠藤浩介「他人の被験者証を使ったなりすまし問題の解決はまだ遠い」(日経メディカル、2022年4月6日)では以下の記載があります。
「なりすましにに関しては、外国人労働者の受け入れ拡大に伴う問題として提起され、政府の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」で指摘されている。2018年8月29日に開催された自民党の「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」においては、不法滞在のベトナム人女性が日本在住の妹の国民健康保険証を利用し、2年以上にわたって総額1000万円以上のHIV治療を受けていたことが明らかにされている。」
国会図書館で確認できた不正受診事例のうち、これが最も高額のものだったとのことです。
国会図書館からは、この事例の他に、2004年〜20年までに7件の不正受診の報道が検索されました。
医療以外の不正利用として、他人名義の保険証での銀行口座開設や通帳の詐取事例記事が4件、スマホの不正契約記事が1件が検索されています。
もちろん報道ベースですので、これらが不正の全てというわけではありません。
なおNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどは、2023年に健康保険証を本人確認書類とする取り扱いを終了しております。
以上が、国会図書館に調べてもらったことなどですが、これを総合すると以下でしょうか。
====
*健康保険証のなりすまし受診はあるが、その「総数」を政府は把握していない *現在、政府が把握している「実数」から判断すれば、不正受診はあまり多い印象は受けない *医療以外の不正利用の件数は不明だが、携帯契約の不正利用は今後は減る可能性がある
====
ところでマイナ保険証を利用すれば、なりすまし被害は減るのでしょうか。
顔写真がついているから当然減ると思われがちです。
しかし私が、実際に数度医療機関を利用した限り、減るとは思われません。
私がマイナ保険証提示しても、医療機関の窓口担当者が、マイナ保険証を見る場面は一度もありませんでした。私が、「マイナ保険証利用」を告げると、担当者は保険証には一瞥もくれずに、機器を指さして認証を誘導します。(マイナ保険証には、マイナンバーが付されているため、特に見ないようにしているのかもしれません。)
また私の場合、全てのケースで顔認証が成立せず、暗証番号で本人認証を行いました。
つまり暗唱番号さえ入手できれば、他人の保険証を使うことは容易なのかもしれません。
その理由は、以下です。
今の保険証の場合は、保険証に疑義などがあれば、別の身分証明証で目視確認をする場合があります。しかしマイナ保険証によるオンライン資格確認では、顔認証か、マイナカードの暗証番号(数字4桁)の入力によって機器(カードリーダー)が本人確認を行い、別の身分証で目視確認しません。つまり、暗証番号さえ分かれば、他人のマイナ保険証で本人確認をクリアし、なりすまし受診が可能になります。
マイナカードは、ICチップが埋め込まれていますので、暗証番号を盗みとることは簡単ではありません。しかしマイナ保険証を暗証番号とともに他者に渡せば、前述したとおり今までの保険証よりもなりすましへのハードルが下がる可能性があります。マイナ保険証のシステムとしてのセキュリティは高いのかもしれませんが、暗証番号を把握すれば、今の保険証以上になりすましが容易な場面がありそうです。鍵は、暗証番号です。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。 ===2023.9.10===
ネットによる個人献金はこちらです。 go2senkyo.com/seijika/123556
1)保険証のなりすまし被害 河野大臣が、7月10日に講演で次の発言をしたと報じられています。
「今の保険証で困っていないというのはそうかもしれないが、なりすましや使い回しが現に起きていて、それなりの被害になっている。」
この「それなりの被害」について調べてみたのですが、政府からは具体的な数字については、なかなか話が出てきません。そこで国会図書館に調べてもらったところ5月19日の参院地方創生デジタル特別委員会での答弁が、唯一、政府が数字に言及したものとのことです。
「市町村国民健康保険では2017年から22年までの5年間で50件のなりすまし受診や健康保険証券面の偽造などの不正利用が確認されている」
国保加入者約2500万人に対して、年間約10件程度の不正利用。これが厚労省の把握している数字です。
また2003年度の「厚生労働化学研究費補助金による研究報告書」に次の記載がありました。(これも国会図書館に調べてもらったものです。)
「保険情報の誤りや不正使用は、全国で年間600万件にも上っており、その処理のための経費は1000億を越えると推定されている」
これは凄い数だと思ったのですが、その数値の典拠はなく「多くは単純な保険証の番号の間違いである」と記載されています。
また政府統計・白書等も調査してもらいましたが、保険証の不正利用件数がわかる資料はなかったとのこと。
つまり政府が把握している、保険利用における不正利用は多くはないようです。
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一方、報道では、なりすまし受診のことが確認できます。
遠藤浩介「他人の被験者証を使ったなりすまし問題の解決はまだ遠い」(日経メディカル、2022年4月6日)では以下の記載があります。
「なりすましにに関しては、外国人労働者の受け入れ拡大に伴う問題として提起され、政府の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」で指摘されている。2018年8月29日に開催された自民党の「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」においては、不法滞在のベトナム人女性が日本在住の妹の国民健康保険証を利用し、2年以上にわたって総額1000万円以上のHIV治療を受けていたことが明らかにされている。」
国会図書館で確認できた不正受診事例のうち、これが最も高額のものだったとのことです。
国会図書館からは、この事例の他に、2004年〜20年までに7件の不正受診の報道が検索されました。
医療以外の不正利用として、他人名義の保険証での銀行口座開設や通帳の詐取事例記事が4件、スマホの不正契約記事が1件が検索されています。
もちろん報道ベースですので、これらが不正の全てというわけではありません。
なおNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどは、2023年に健康保険証を本人確認書類とする取り扱いを終了しております。
以上が、国会図書館に調べてもらったことなどですが、これを総合すると以下でしょうか。
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*健康保険証のなりすまし受診はあるが、その「総数」を政府は把握していない *現在、政府が把握している「実数」から判断すれば、不正受診はあまり多い印象は受けない *医療以外の不正利用の件数は不明だが、携帯契約の不正利用は今後は減る可能性がある
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ところでマイナ保険証を利用すれば、なりすまし被害は減るのでしょうか。
顔写真がついているから当然減ると思われがちです。
しかし私が、実際に数度医療機関を利用した限り、減るとは思われません。
私がマイナ保険証提示しても、医療機関の窓口担当者が、マイナ保険証を見る場面は一度もありませんでした。私が、「マイナ保険証利用」を告げると、担当者は保険証には一瞥もくれずに、機器を指さして認証を誘導します。(マイナ保険証には、マイナンバーが付されているため、特に見ないようにしているのかもしれません。)
また私の場合、全てのケースで顔認証が成立せず、暗証番号で本人認証を行いました。
つまり暗唱番号さえ入手できれば、他人の保険証を使うことは容易なのかもしれません。
その理由は、以下です。
今の保険証の場合は、保険証に疑義などがあれば、別の身分証明証で目視確認をする場合があります。しかしマイナ保険証によるオンライン資格確認では、顔認証か、マイナカードの暗証番号(数字4桁)の入力によって機器(カードリーダー)が本人確認を行い、別の身分証で目視確認しません。つまり、暗証番号さえ分かれば、他人のマイナ保険証で本人確認をクリアし、なりすまし受診が可能になります。
マイナカードは、ICチップが埋め込まれていますので、暗証番号を盗みとることは簡単ではありません。しかしマイナ保険証を暗証番号とともに他者に渡せば、前述したとおり今までの保険証よりもなりすましへのハードルが下がる可能性があります。マイナ保険証のシステムとしてのセキュリティは高いのかもしれませんが、暗証番号を把握すれば、今の保険証以上になりすましが容易な場面がありそうです。鍵は、暗証番号です。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。 ===2023.9.10===
ネットによる個人献金はこちらです。 go2senkyo.com/seijika/123556
こんにちは。
政府は国民の個人的情報を厳に守る責務がありますが、
そのための必須事項の一つが、情報を一元管理しない事。
マイナンバーカードに保健証その他をまとめることは
それに逆行します。
何も分かっていないと言うより、そもそもの目的が
政府による国民の監視にあると言う証左でしょう。
自民党に限らず、政府役人の持つ願望がマイナンバカード
問題で露呈しています。日本人は余りにも政府を素直に
信用過ぎる。妄信と言っても良い位です。
危うい。
うらべ
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