徒然日記
23年5月24日 その5751『逢坂誠二の徒然日記』(7448)
1 )防衛と少子化対策の財源
防衛財源を確保すると政府が称する法案が昨日、衆院本会議において、自民党、公明党の賛成多数で可決されました。今後は、参院での議論となります。繰り返しますが、日本の防衛のあり方を点検し、何が必要なのか、何が不要なのか、不断の見直しを行うことは極めて大切なことです。その上で、防衛費の増額はあり得ることだと私は考えています。
しかし今回は、何が必要なのか等の内容も十分に議論もしないうちに、今後5年間で43兆円を使うという額が先に決まっています。(GDP費2%も同様です。)何が必要か、何が不要かを積み上げての議論ではありません。
その財源の中身も問題です。「決算剰余金」、「国の基金などの活用」、「歳出改革」、この三つが財源確保の柱となっていますが、いずれも安定的に毎年度収入が確実に確保できる財源ではありません。今回示された中での安定財源は、「増税」だけです。しかしタバコ増税、法人増税もその時期も中身も決まっておりません。
唯一決まっているのは復興特別所得税の延長による転用だけです。
現在、東日本大震災の復興に充てるため、通常の所得税率に加えて2.1%が上乗せされています。これは2037年まで続きます。ところがこれをさらに2050年まで延長して、防衛財源に充てるというのが、今回の政府の方針です。復興財源調達の仕組みが、いつの間にかミサイルの財源に変化するのです。これはまさに騙しともいえるやり口です。しかもその増税が 15年後ですから、将来への負担の先送り、借金に近いとも言えます。
一方、異次元の少子化の財源は全く見えておりません。
今年の子ども家庭庁予算4.8兆円を2030年代前半に倍増させる。社会保障費を削減する、社会保険料を増やす。こんなことが一昨日、やっと見えて来ましたが、身の丈に合わない防衛財源目標と、中身のない少子化対策議論、この両者は完全にバランスを欠くと言わざるを得ません。防衛と少子化対策の財源議論は平行して行う必要があるのです。
こんな問題を孕んだまま、防衛財源の確保法案は参院での審議となります。この法案は、今国会急いで審議する必要はなく、一旦、廃案にして、再度、少子化対策も含めて財源議論を行うべきです。
今日午後は、予算委員会です。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.5.24===
逢坂誠二の公式LINE からご意見をお寄せ頂く場合は以下から登録をお願いします。
lin.ee/eDi8g6I