徒然日記

22年3月13日 その5315『逢坂誠二の徒然日記』(7012)

都内、夜明け前の気温は、この春初めて10度に達しました。

日中も20度になる見込みです。

空には薄雲が広がっていますが、雨になる雰囲気はありません。

あと10日もすれば、桜の便りが届くものと思います。

一方、函館は今朝も氷点下です。

1)りっけん全国行脚

現在、泉代表、西村幹事長、小川政調会長、さらに私も含め、
党の役員で「りっけん全国行脚」を実施中です。

昨日、私は大分を訪問しました。

大分の皆さん、お世話になりました。

今日は、兵庫にお邪魔する予定です。

2)汚染水のもう一つの課題

福島第1原発では、原子炉建屋に入った地下水や雨水による
大量の汚染水が発生しているのは、多くの方が知っている通りです。

この汚染水を多核種除去設備、いわゆるアルプス処理し、
原発敷地内のタンクに溜め込んでいます。

この溜め込んだ水の放出を巡って色々と議論があります。

実は汚染水については、放出問題以外にも厄介な課題があります。
_____

汚染水をアルプス処理すると、当然、取り除いた放射性物質を含むゴミが残ります。

この高レベル放射性物質を含むゴミは、
ヒックと呼ばれる高性能ポリエチレン容器で保管されています。

ヒックは、直径1.52メートル、高さ1.85メートルの円筒形の結構大きなものです。

このヒックは、昨年5月の時点で3,500個程度あり、
現在も汚染水が出ていますので、その後も毎月、増え続けています。

ヒック保管にかかわるリスクはいくつかあります。
エネ庁HPによれば、主なリスクは2点です。

(1)ヒックに保管されたスラリー(ゴミ)が内包している水の漏えい
(2) 放射線によるヒックの劣化

(1)は、ヒックの内容物から発生する放射線によって水素などのガスが生じ、
それが水を押し出した結果、水が外に漏れるというリスク

(2)は、ヒックそのものの劣化のリスク。ポリエチレン製のヒックは、
ゴミが発する放射線によって劣化が進むのです。

これらのリスクについての対策はエネ庁HPによれば、以下です。

==長くなりますが、以下引用です==
(1)については、HIC に注入する量を減らしたり、「入れ過ぎ」と評価されたHICからの上ずみ水の抜き取りをおこなっています。また、万が一、漏えいが発生した場合においても、漏えい物が施設内に留まるよう、コンクリートボックスに封じ込める工夫がなされています。

(2)については、放射線がHIC におよぼす影響について、実験を通じて評価をおこなっており、そこから安全性がじゅうぶん担保できるような耐用年数を算出。この耐用年数を適用して、適正に管理しています。

このように現在の保管状態のリスクは非常に低い状態ではありますが、さらに安全性を高める計画が進められています。

具体的には、HIC内に収納されているスラリーを抜き出して脱水処理することによって、液体状のスラリーを固体に変え、屋内の廃棄物貯蔵庫内で保管するという取り組みです。このような、スラリーをHICから抜き出して脱水をおこなう処理は、「安定化処理」と呼ばれます。固体にすれば、上記のような漏えいリスクは低減します。
==以上、引用終了==

簡単に言えば、以下となります。

*満杯のヒックから上ずみを抜き取って隙間を作る
*ヒックの劣化は実験によって算出した耐用年数を適用して適正に管理
*今後は、ゴミを抜き出して脱水固体化して保管

昨年6月、規制庁は劣化の限界に来ている 30個程度について、
別のヒックに移し替えるよう東電に対して指導をしました。

そもそもヒックに人が近づいて抜き取りなどの作業ができる状態なのか、
抜き取りによる環境汚染は生じないのか色々な懸念があります。

昨年夏、東電は低線量ヒックからの移し替え作業を行いましたが、
作業中にトラブルが発生し、作業を中断しました。

ヒックから上ずみやゴミを抜く作業は、放射線量も高く実は簡単ではないのです。

汚染水を処理した大型のタンクが林立する姿は目立ち、
その問題を視覚的に知ることができます。

しかし汚染水処理で発生する高レベル放射性物質を含むゴミをどうするかも大問題なのです。

エネ庁のHPでには、ヒックに関し「現在の保管状態のリスクは非常に低い状態」
としていますが、本当にそう言えるのか、私には懸念しかありません。

汚染水は、このゴミのことも極めて深刻な問題なのです。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.3.13===

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