徒然日記
5月11日 その1749『逢坂誠二の徒然日記』
都内は、久々の雲の無い朝を迎えた。
昨朝は、
雲の中に薄ピンクの月が浮かんでいたが、
今朝は青空の中に、
存在が気づかないほどの月だ。
今日の予想最高気温は22度だ。
1)ジレンマ
幹事長室の周囲には、
多くの記者の皆さんがいる。
幹事長や代行に同行するために、
常時、待機しているのだ。
記者さん達は、
私について歩くことも多い。
そんなときは、政局的な質問が少なくないが、
最近は、原子力発電について、
色々と話をすることも増えている。
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新聞各紙の原子力に対する論調の差は、
過日、書いたような雰囲気だが、
新聞社の論調と記者個人の考えが違い、
ジレンマを抱えている記者も少なくないようだ。
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・
科学理論として確立しているか
・
実用技術の上で安定性、安全性があるか
・
経済上の妥当性はあるか
・
政策の妥当性はあるか
・
倫理上の妥当性はあるか
この各点から原子力発電を見た場合、
科学理論としては何とか大丈夫なのだと感じているが、
実用技術の面から倫理面までは、
どれも十分なものとは言えないのが、
原子力発電の現状だと感じている。
こんなことを色々と話すと、
最終的には、記者の皆さんも
原子力発電に懐疑的になる方が多い。
「しかし会社の方針が原発推進だからなぁ」と
天を仰ぐ記者が多いのが事実だ。
何とも困ったジレンマである。
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脱原発依存は簡単なことではない。
これほどまでに
複雑に社会の中に組み込まれてしまった原子力を、
現実社会への影響を極力少なくして、
次の仕組みに置き換え、進化させる作業は、
簡単、単純ではない。
よほど丁寧に、腰を据えて、進めねばならない。
しかもこれは国内だけの問題ではないのだ。
世界の原子力発電所に関する技術を持っている事業社が、
廃止、合併などを繰り返しているうちに、
その多くが日本企業になってしまったという現実だ。
被爆国日本としては、
何とも皮肉なことだが、これも現実だ。
こうした現実も踏まえつつ、
現状からどのようにして次の段階へと進化するか、
しっかりとした工程を描かねばならない。
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昨今の議論から、
社会の中に複雑入り組んでしまった原子力を
次の段階にリプレイスすることの難しさを痛感している。
しかもこれは社会の中だけではない。
人の心の中にも複雑に入り組んでいるのだ。
脱原発依存は正論と思いつつも、
多くの方が具体的な行動に出ることができない理由は、
この複雑さにあるとも言える。
私たちはこの複雑さに圧倒されてはいけない。
この複雑さに打ち勝つ強さと粘り強さ、
さらに丁寧さ、お互いに対する思いやりが必要だ。
これなくして脱原発依存は実現し得ない。
2)TPP
党内でのTPPに関する議論が活発化している。
私はTPP参加に反対だ。
各国が様々な分野で協調し、
諸活動を活発化させることは重要だ。
しかし多くの分野について、
しかも一気に、
主権国家としての自律性や、
国民主権を阻みかねない、
協調状態に入ることには慎重であるべきだ。
個別分野ごとに、
社会全体と国民に
どんな影響を与えるのかを見極めつつ、
協調するのが現実的だ。
TPPの全体像は良く見えないが、
気を付けなければ、
推進する方たちにも本当はそんな気持ちはないにしても、
制御不可能なレッセフェール(自由放任主義)状態
に陥り兼ねない危険を感じている。
今日は、
衆院本会議が予定通り終了すれば、
帰函できる見込みだ。
何とか予定通りの終了を願っている。
さあ今日もしっかりと前進します。
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2012・5・11 Seiji Ohsaka
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