徒然日記
8月30日 その3294『逢坂誠二の徒然日記』(4991)
台風10号の動きが心配される。
現在は、関東の東海上を北に向かって進んでいる。
今日の昼から夕方には東北地方に上陸、
明日の朝には北海道に接近する見込みだ。
1)原子力政策
先週26日(金)深夜にNHKで放送された
討論番組『解説スタジアム』が、
本当のことを語ったとして話題になっている。
テーマは、日本の原子力政策だ。
私も早速、ビデオを見た。
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番組では、日本の原発政策の矛盾を明確にし、
核燃料サイクルからの撤退などを
NHKの7名の解説委員が異口同音に唱える。
是非とも多くの皆さんにご覧頂きたい番組だ。
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(以下は、番組を見て、私が聞き書きをしたもの。
一字一句の文言は必ずしも発言通りではないが、雰囲気は伝わるだろう。)
アメリカは地震の多い西海岸に原発を設置しないようにしている。
日本は地震、津波、火山の原発リスク3原則が揃っている。
日本が原発に依存するのは問題だ。
規制委員会の審査基準には、避難計画が入っていない。
アメリカの基準には周辺住民の避難計画も入っているのに、
日本は自治体に丸投げ。こんな甘い基準はない。
安易な再稼働は認めるべきじゃない
規制委員会は『安全性を保障するものではない』と繰り返し言っている。
(そうなのです。規制委員会の基準は、「安全」基準ではなく「規制」基準です。
これに適合しても安全とは言えないと、
規制員会の田中委員長は繰り返し答弁しています。
それなのに原発が再稼動されているのです。)
(規制員会の審査は)ハードウェアが「基準」を満たしているかを確認しているだけ。
社会的リスクを担保していない。
10キロから30キロ圏は、事故時の避難先が決まっていない。
事故が発生してから避難先を決める。
(そんなことは現実的ではないはず。)
だったら地元住民はどうすればいいのか。
政府は責任を取ると口にしているが、
(事故が起きた時)どうやって責任を取るのか。
カネを渡せば責任を取ったことになるのか。
災害関連死も起きている。
責任を取れないのに、
(政府が)責任を取ると強弁することが問題。
はっきり、原子力を続けるのはムリ。
避難計画を作ってまで、原発を動かす必要はない。
(原発の多くの)コストを加味していない。
作るまでに現在価値で45兆円相当の国庫をつぎ込んでいる。
福島の賠償金、除染に9兆円、税金をかけているがそれは、
国民が電気代として負担するのとなんら変わらない。
原発のコストは高い。
常識的に40年ルールを採用すれば、
2030年の原発の発電割合20〜22%は達成できない。
40年寿命から20年延長は、現実にはザル法になっている。
核のゴミの処理は手付かず。
処分場を公募したが候補地はない。
強制的に設置することができるのか。
これからでは、処分地の決定に20年も30年もかかるだろう。
処分地も決めずに再稼動し続けることが問題。
(処分地決定は)信頼が土台だがその信頼は全くない。
「もんじゅ」を中核とする核燃料サイクルは破綻している。
(もんじゅの)運営主体が決まらない。もんじゅは、やめるべき。
再生可能エネルギーや水素エネルギーによるエネルギー革命を起こすべき。
今の原発は10年程度で止めるべき。
あの災害から既に5年。5年を無駄にしてしまった。
核兵器の原材料になるものをテロリストに奪われないよう議論すべき。
(原発の問題は)オープンに議論すべき。
今は、もんじゅんの議論もオープンになっていない。
原発政策は、国策民営だという。ならば政府が責任を持つべき。
総合的な司令塔を政府がつくるべき。
福島原発事故では、いまだに9万人近い方が避難生活を強いられている。
安全神話は完全に否定され、事故を起こすと、
いかに手に負えないかを知ることになった
==以上、聞き書き終了==
規制委員会が原発の安全を保障していないこと、
核燃料サイクルの破綻、原発の高コスト、
最終処分場が決まらない、政府の無責任さなどについて、
NHKの解説委員7名がストレートに語った番組だ。
ここで語られたことは、
国会でも繰り返し指摘されていることが大半だが、
これまで政府はその指摘を真摯に受け止めることがなかった。
今回、NHKの放送で、改めてこれらに言及した意味は大きい。
多くの国民の皆さんに、
原発政策の矛盾を改めて認識して頂く
良い番組だった。
この内容は報道機関として当たり前の放送だったと思うが、
現下の難しい情勢の中でのNHKの思い切りに心が騒ぐ。
台風10号が東北地方に向かっているが、
福島第一原発の状況も相当に心配される。
大量の雨が降るが、
それはそのまま海に流れ出ることになるのだろうか。
安倍総理の論法では、
希釈されるから良いということのなのだろうが、
希釈が前提ならそもそも汚染水対策は意味のないものになる。
安倍総理の福島原発完全コントロール論の欺瞞も
改めて質さねばならない。
さあ今日も、確実に前進します。
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